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宮城県の復興独自財源はいま350億円にも

宮城県の復興独自財源はいま350億円にも

7月31日(水)
復興の独自財源について、「復興基金」と「地域整備推進基金」という2つの財布を使い分ける宮城県の問題について

 かねてから疑問に持っていた宮城県の復興財源について、とくに標記の件について、昨日(7月30日)財政課の財政計画班の豊嶋潤班長から話を聞きました。それで、やっと全容が見えてきたので、以下2つの基金をめぐる諸問題について記します。

1、2つの基金の全容について

 財政課に特別に作成してもらった資料(7月30日付)がありますが、これは、2つの基金にこれまでどれだけ積まれ、どれだけ取り崩され、いくら残高があるのかがわかるようにつくってもらった資料です。あわせて、2つの基金の主な原資がどこからきているのかも記してもらったものです。これでもちょっとわかりにくいので、私なりの整理を以下してみました。数値は財政課作成の資料とあっています。
 (1)東日本大震災復興基金の全容…2011年8月臨時議会で創設された基金

	☆積立て総額=1635億8405万3千円
	 →その内訳
		・国から特別交付税の660億円と震災復興特別交付税の709億円の計1369億円
		・クウェート支援金が162億1533万7千円
		・ヤマト財団からの助成が25億8207万1千円
		・寄付金および利子分が78億8664万5千円(サントリーの昨年までの寄付金20億円はこちらにまるまる入っている、他は地域整備推進基金と折半)
	☆取り崩し総額=1387億2631万6千円
	 →その内訳
		・市町村交付分として、330億円+709億円+18億5250万円(県の上乗せ分)=1057億5250万円
		・県事業として執行分=329億7381万6千円
	★復興基金残高(2013年6月末現在)=248億5773万7千円

 (2)地域整備推進基金の全容…2012年2月議会でそれまで611万3千円しか残ってなかった平成元年創設のこの基金に拡充と称して98億余が積まれ、復興名目の県事業に使える仕組みがつくられた。

	☆積立て総額=123億9526万5千円
	 →その内訳
		・兵庫県地域コミュニティー再生寄付金分=15億6876万6千円
		・宝くじ収益分=27億1907万7千円
		・平成23年度事業見直し分=38億3508万1千円
		・復旧、復興寄付金分=41億8522万円(JRAの6億円分含む)
		・その他(利子分等)=8712万1千円
	☆取り崩し総額=22億239万7千円
	 →その内訳
		・平成24年度分で3億9356万6千円
		・平成25年度分で18億883万1千円
	★地域整備推進基金の残高(2013年6月末現在)=101億9286万8千円

2、釈然としない2つの基金の復興をめぐる使い方

 (1)クウェート支援金は宮城県の勇み足の尻拭い、国からの特別交付税をあてこんだ分の相殺に使われた。
	・私が当時の財政課の大町班長から聞き取ったメモがありますが、クウェート支援金で総務省から怒られた基金創設の穴埋めができる見通しとのことでした。
	・2011年の8月臨時議会で創設した「復興基金」は特別交付税を当て込んだものであった。(これが良いかどうかの評価は別にして事実関係をのべる)8月に160億円、9月に58億円の計218億円の基金の原資は確保されてなかった。
	・その後、国の補正が成立し、宮城県に660億円がくることになったが、市町村への配分330億円を除いた県分の330億円について、国から先行して事業執行している218億円分の原資にあてることはまかりならぬと言われ、当時は非常に困った状態に一時陥っていたのです。
	・そこに登場したのがクウェートからの寄付(支援金)だったのです。実は、平成24年2月の「平成23年度補正」の中で、前代未聞の相殺操作がおこなわれました。財政課から特別に見せてもらった内部資料では、218億円のうち寄付金などを原資にしてもなお139億円分の財源が不足していましたが、その分を一気に解消することができました。
	・しかし、その処理について、相殺できましたとする訳にはいかないので、2011年8月臨時議会や9月議会で具体化した事業は、実質的には国から駄目だと言われた330億円分の中で処理せざるをえなく、クウェート支援金の使い道として示された8事業にこれから使っていきますよとの体裁をとるために、「クウェート寄付金充当事業」と文字通り体裁だけつくり議案説明資料などに公表しています。これは平成24年度分も25年度分も同様です。実態は、クウェートからの寄付があって、国の特別交付税をあてこんだ分の財源ができて救われたということです。
	*注…クウェートからきたお金は寄付金か支援金かという厳密な定義の問題ですが、今回財政課が持ってきた資料は、支援金という表現になっています。これまでの議案説明資料では寄付金となっていますし、岩手県や福島県は寄付金として扱っています。ではなぜ、今回支援金という表現にしたのかですが、実は一般や企業からの寄付金は総務部の消防課が窓口で受け付けています。このクウェート寄付金は、そこを通さず財政課が全額管理するようにしたために、一般の寄付金と区別するために今回支援金という表現にしたものと思われます。
	※この処理問題をどうみるかですが、党県議団は特別交付税をあてこんだ全額取り崩し型の「復興基金」のあり方を批判し、反対しました。国にも強く働きかけ、長期のスパンに立った運用型の基金を創設するよう訴えました。知事自身も発災直後には1兆円の運用型基金創設を主張していましたから、この提案はけっして非現実的なものではありません。確かに、当時の民主党政権について、当時の片山総務大臣が政府の対応を後に批判し、財源見通しを早く示すべきだったと振り返っているように、必要な補正も素早く組まなかった当時の国の問題は強くあると思います。全経過を見ると、結局村井知事の国頼みの体質が問題の根源にあるように思います。

 (2)「復興基金」=被災者直接補助、「地域整備推進基金」=復興県事業という図式で果たして良いか。

	・「復興基金」とは別に「地域整備推進基金」という別な財布を持っているのは被災三県の中では宮城県だけです。
	・あらためて、財政課の担当者に、その使い分けを確認したところ、以下の説明でした。「復興基金は被災者を直接支援する補助金に主に使われることを想定している」「地域整備推進基金は復旧・復興事業のうち、県が直接やる事業、例えばどこかに委託してやるとか、公共施設関係の補修など直接県がやらなければいけない事業などにあてることを想定している」
	・私が他県では「復興基金」に一本化してやっており、何よりも被災者からみれば、別々の財布を持っている意味が不明ではないか。あくまで宮城県が便宜的に寄付金の扱いを分けているだけで、半分は被災者のため、半分は県事業のためなどとは寄付者は考えておらず、極めて不透明なやり方ではないかと批判したところ、担当者も説明が難しいことはわかると言ってました。
	・それで、あらためて2つの基金条例では、その目的を何と言ってるのか、確認してみました。まず、「復興基金」条例では、第1条で「東日本大震災(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所事故による災害をいう)からの早期の復興に資するため」とうたわれています。つまり、この復興基金条例の「早期の復興に資する」という幅広い解釈で条例をつくりながら、財政課では被災者本人への直接支援は復興基金でと、逆に狭くしています。一方、「地域整備推進基金」条例ですが、その第1条では、「県内各地域における県勢発展の基盤となる公共施設等の整備その他の地域の振興に資する」となっています。地域のハコ物を中心とする整備にあてることを目的にした基金を「拡充」と称して、復興財源の第二の財布にしているというのが宮城県のやり方です。
	※医療・介護の免除復活のための財源に使えるのは、したがって復興基金の方で残高は約250億円あります。これはあくまで、財政課サイドで見た、2つの基金の使用範囲から見てというものです。知事が言うように原理的に、使おうと思えば「地域整備推進基金」も使えます。財政課の二人の担当者との話では、実際に取り崩して医療費復活に充てるとすれば「復興基金」となるねと。しかし、これまで見た様に、他県のように一つの財布で運用した方がわかりやすいし、総額も見えて良いのです。だから、復興に資するための、県が自由に使える財源が(復興基金残高約248億円+地域整備推進基金約102億円)の350億円の財源を宮城県は持っているということを広く宣伝していく必要があるということです。
 (3)ヤマト福祉財団の助成金について
	・今回の財政課の資料で、おやっと思ったものの一つはヤマト福祉財団からの寄付金が助成金扱いされていることです。これについては、財政課の担当者の説明では、「ヤマト福祉財団からのものは寄付というより、やりたい事業を財団の方に申請し、認められれば、いわばその事業に対する融資という性格になっており、お金は宮城県分としてきているが、事業執行主体に回すだけで、県が自由に使える訳ではない。事業ごとに財団の査定を受けるので、特定事業に対する助成金と考えてもらった方が良い」
	・私のところで、ヤマト福祉財団のホームページにある資料をもとに作成した別紙資料がありますが、「ヤマト福祉財団の助成一覧(宮城県内分について)」です。宮城県以外にも県内自治体などにも助成されています。

3、「復興基金」に一本化し、復興に資する事業に効率的かつ有効に使えるようにすべき

 結論として、宮城県の復興独自財源は、「復興基金」と「地域整備推進基金」という非常にわかりにくい2つの財布を持っており、一本化し医療・介護の免除復活など、被災者の命と暮らしにかかわる緊急支援に充てるべきである。約350億円ある基金から、とりあえず50億円を崩し、充てることを求めてはどうか。
 県当局は、こういう言い方でせまると、必ず「国から特別交付税がくるわけではなく、10年間かけて使わなくてはいけないので、あれもこれもやれない。優先順位をつけて、真に必要な事業の財源としたい」と。
 住宅再建や産業再建など、被災者の切実な現状を希望を持って切りひらいていくためには、より積極的な国の支援、全国・全世界の支援が必要であることも訴え、必要な財源を確保するという見地に立つべきです。被災地や被災者にとって必要な財源は生み出していくという立場に立つのか、それとも現・村井県政のように、国が駄目なら駄目と敗北主義の立場に立つのか、いま厳しく問われていると思います。

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